2008/05/13

きもののお洗濯について

今日は一日中張り物(伸子張り)とのり入れをやっていました。
だるまやではお店の裏に仕事場があり、そこで張り物をやっています。

今日はきもののお洗濯について、最近覚えたことを少しだけ説明します。
(まだまだ勉強中なので間違っていることがあるかもしれませんが、多分大丈夫です。)

きものの洗い方には大きく分けて2種類あります。
洗張りと丸洗いです。

丸洗いとは、きものを服の形をした状態で、油性の溶剤を利用して洗います。
ちょうど洋服のドライクリーニングに近い作業ですね。
その場合、洗い上がりは服の形をしているので、そのまま着ることができます。
ただ、丸洗いでは落ちないしみがついてしまった場合、しみ抜きと併用することが多いです。

洗張りとは、きものの縫い目をすべて解いて反物の状態に戻し、水と専用の洗剤を使って、たわしで洗います。
その後、十分に乾かしてから、伸子張りをし、布のりを引いて、再度乾燥させ、最後に綺麗にたたんで綴じて完成となります。
丸洗いと違い、仕上がりは反物の状態に戻ってしまうため、再度着るためには仕立てを行う必要があります。
しかし、丸洗いでは落ちない汚れが落ちたり、布のりを引くことで肌触りがよくなったり、光沢を取り戻したり、と絹を蘇らせる効果があります。

きものを解く作業を「トキ」、反物の状態に戻す作業を「端縫い」、たわしで洗って乾かすまでを「洗い物※」、伸子張りを張ることを「張り物※」、布のりを引くことを「のり入れ※」、反物をたたんで綴じることを「綴じ物※」と呼んでいます。
※だるまやではこう呼んでいるのですが、他店では違う呼び方をしているかもしれません。

↓この写真はきものを洗った後に天日で乾かしているところです。きものが気持ち良さそうでしょ!?


↓こっちは布のりをお湯に溶かしている写真です。紹介せずに写真館に載せていたら、知り合いから「あれ、何?」と聞かれたので紹介しておきます。鰹節で出汁を取っているわけではありません。


張り物について、だるまやでは昔ながらのやり方を守り、伸子(竹の先に針が付いている道具)を利用して反物のしわを伸ばしています。
今は機械作業にしているお店がほとんどらしいのですが、親父に言わせると仕上がりが断然違うらしく、親父のこだわりらしいです。

で、今日は一日張り物とのり入れをしていたわけですが、まだ慣れていないので、一反仕上げるのに時間がかかるのです。。
やっと1反終えたころには親父は2反目を終えているのです。
仕上がりを親父に見てもらっているので、親父は2倍以上のスピードで伸子を張っているわけですね。


うーむ、、、

親父よ、、身近にいたから気づかなかったが、あなた相当な名人だったのね。。


早く追いつきたい。。

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