染め替えというと、無地のきものの色を変えることを指すことになってきてしまいましたが、昔の染め替えと言えば柄を変えることのほうが多かったらしいです。
最近では、昔の染め替えを知っているお客さんが減ってしまったのと、染め替えをする染工場も減ってきて(ほぼ壊滅状態)しまったので、染め替えという仕事をすることがなくなってしまいました。
今ではほとんど、無地の染め替えと目引き(色かけ)が主ですね。
昨日洗った反物の中に、柄の染め替えをした品があったので、これはと思い紹介します。
↓これは裏なのですが、白っぽく柄が見えますよね。
おそらくこの反物は以前は巻き見本だったのですが、その色を抜いて染め替えたのでしょう。
色を抜いた結果、もともと柄だったところが白くなっているのです。
↓左側が裏、右側が表です。
表から見ると、以前の柄(白っぽいところ)はまったくみえません。
↓こちらはだるまやにある巻き見本
こういった柄は染め替えには向いているらしいです。
もともとの柄が綺麗に抜けない場合でも、全体に色や柄のあれば目立たないようで。
以前はうちでもこういった染め替えをしょっちゅうしていたのですが、今は東京染め工場が壊滅状態なので、江戸小紋しか請けられないのです。
江戸小紋だと、綺麗に色が抜ける反物か白生地でないと染め替えられません。
昔は請けていた仕事が請けられなくなっていくのはさびしいものですね。。
度々失礼します。いそみみです。
返信削除>以前はうちでもこういった染め替えをしょっちゅうしていたのですが、今は東京染め工場が壊滅状態なので、江戸小紋しか請けられないのです。
そうなのですか…。
染屋さんもなくなって、染め替えを依頼するお客さんも激減して…そうして伝統的な技術の継承がどんどん難しくなってきてるのですね…。
一昨年、だるまやさんで夏の紗紬を染め替え(無地染めでしたが)して頂いたときは、、繰り返し生まれ変わるきものの面白さを実感させて頂きました。
私はラッキーだったのだなー、だるまやさんとご縁がなければ、着物のそういう愉しみを知らずに終わっていたし、たとえ長く着続けたくてももできなかったと思います。
先程、私が20年来お世話になっている浅草の老舗履物屋さんのサイトを見ていたら、この記事に関連するかもという内容がありまして(和装人インタビュー第31回 博多織元 岡野さんの回)、6代目様に読んで頂きたかったので、ご紹介させて頂きます。http://www.getaya.jp/l_gindex.html
本当に6代目様がだるまやさんの跡を継いで下さって良かったです。
私は万年金欠病なので、たま~にしか伺えませんが、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
こうして何度でも再生させる、
返信削除のが本来の着物なんですよね。
私も母の染め替えの着物と襦袢を
持っていますが、布の「いばり」が
少しとれて、しなしなと身に
よくまといつきます。
染め見本、ヤフオクでも高いですよ。
私も何本か持っていまして、
昔の人にならい、これでそのまま襦袢に
してみたいと思っています。
古い染め替えの着物を見つけると、
下の模様を探し出して、これはきっと
お母さんが自分の娘のために、
染め替えたんだろうなぁとか…。
物語がある着物って、ステキですね。
青木玉さんという方の「着物あとさき」という本があります。
返信削除お母様から譲り受けた着物を様々な方法で蘇らせ、玉さん本人や娘さんに着継いでいく、といった内容のエッセイです。
日本にはこんなすごい技術があったんだ!と驚くばかりでした。
代々受け継がれた職人技が継承されない世の中になっているのはさみしいですね。
ご存じの内容もあると思いますが、お時間があれば是非読んでみてください。
>匿名さん
返信削除さっそくAmazonで調べてみました。
検定の勉強がひと段落したら読んでみようと思います。
わざわざありがとうございます!