2012/07/10

ヒッグス粒子発見のニュースを知って調べたこと

先日、新聞を見たら「ヒッグス粒子発見」のニュースが一面に大々的に載っていました。
大学受験で物理を勉強して以来、結構物理が好きでして、相対性理論だとか量子力学だとか趣味で勉強してまして、今回のニュースを機に「ヒッグス粒子」について調べてみました。

人によっては全く興味の無いジャンルだと思いますので、遠慮無く読み飛ばしてください。
でもって、自分でもまだまだ分からない部分が多いので、内容に間違いや推測の部分が含まれるので、正しいという保証はありませんので、あしからず。

さて、行きます。
(うまくまとめられるかな、、、ドキドキ)



そもそもヒッグス粒子とはなんなのか?

まずこの根本的な質問の回答がとても難しいのですが、できるだけ簡単に説明してみます。
ニュートンを知っている方は多いと思うのですが、ニュートンが発見した物理法則の一つに、以下の運動方程式があります。

mα = F

mは物体の質量、αは加速度、Fはその物体に与えた力です。
物体を動かそうと力を加えた場合、その物体の加速度は、力の大きさに比例し、物体の質量に反比例するというものです。
簡単に言えば、強く押せば速く動く、重い物体ほど動かしにくい、ということですね。

ニュートンの誕生前、ガリレオ・ガリレイは慣性の法則という画期的な物理法則を発見しました。
それまで物体は力を与えるから動くと思われていたのですが、物体に力が加わらない場合、その物体は静止し続けるか等速直線運動をするというものです。
つまり、物体に力を加えると加速度が発生するという基となる発見であり、ガリレオからニュートンにバトンが渡される形で、運動方程式が世に広まりました。


さて、ニュートンはもう一つ重大な発見をしています。
(本当かどうかは知りませんが)りんごの木からりんごが落ちるのを見て思いついたとされている、万有引力の法則です。

F = G×m×M/r

ちょっとややこしいですが、Fは重力、Gは万有引力定数(0.0000000000667くらい)、mは物体の質量、Mは地球の質量、rは地球の中心からの距離です。
月に行くと体重が6分の1になるとされていますが、これは月の質量Mが地球の質量よりも小さいからです。

さて、ニュートンが発見したこの二つの大発見に登場する質量mですが、物理の世界ではそれぞれ別の名前がついています。

重い物体ほど動かしにくいという際に使われる質量を「慣性質量」と呼び、重力を感じる質量を「重力質量」と呼びます。
そして、この「慣性質量」と「重力質量」はたまたま同じ値となり、たまたま同じ値になることを「等価原理」と呼びます。

さて、ここまででヒッグス粒子を理解する準備の一つができました。


もう一つ、今度は極微の世界の話をします。

ものすごく昔、ギリシャの科学者が、物を細かくし続けていく場合、無限に小さくなるのか?と考えました。
その結果、これ以上小さくできない最小の単位があるはずだ!と推測し、それを原子(atom)と名づけました。
その後、原子は原子核と電子によってできていると発見され、さらに原子核は陽子と中性子からできていると発見されました。
結構有名なので知っている方も多いと思うのですが、地球の周りを月が回っているように、原子核の周りを電子が回っているわけですね。
ボーアという科学者が提唱したので、ボーアの水素模型と呼ばれて有名です。

陽子と中性子はハドロンというグループ名を名付けられるのですが、陽子と中性子の仲間としてπ中間子やk中間子といったハドロンが百種類以上見つかります。
その結果、最小の単位がこんなにたくさんあるのはおかしいと思った科学者がいました。
また、電子と比べて陽子や中性子がものすごく大きいということもあり、陽子や中性子はもっと小さな粒子から構成されているのでは?と推測されました。


その後の実験で陽子や中性子はもっと小さな粒子、「クォーク」からできていると発見されます。クォークは6種類見つかりました。
素粒子理論の幕開けですね。
さらに、電子の仲間として他に5種類見つかり、それらを「レプトン」と名づけました。
ちなみに、ニュートリノはレプトンの中に含まれます。
この世界はどうやら、クォーク6種類とレプトン6種類からできているようです。

おっと、忘れていた粒子がありました。
光(光子)です。

アインシュタインは、それまで波だと考えられていた光を粒子なのではと仮定し、光量子仮説を唱えました。
その後の実験でアインシュタインの光量子仮説は正しいとされます。
つまり、光は波でもあり粒子でもあるという不思議な物質とされました。


アインシュタインの時代からさらに科学は進み、光子と同じような粒子も他に見つかっています。グルーオンやウィークボソンですね。
これらはゲージ粒子と名付けられました。

ということで、今のところ世界はクォーク、レプトン、光子たち(ゲージ粒子)からできていそうです。
これらを「素粒子」と呼びます。



と、ここまでで質量には、「重力質量」と「慣性質量」の2種類がある。
すべての物質は、「クォーク」「レプトン」「光子たち(ゲージ粒子)」などの素粒子からできているということが分かりました。


やっとヒッグス粒子の説明に入れます。
前置きが長すぎ!!なのですが、仕方ないんですよ。。。

さて、もう少し頑張るとして。


ヒッグス粒子は先程の「慣性質量」を発生させる原因とされている粒子です。

例えば電磁場の場合。
机の上に磁石を置くと、その周りに磁界が発生します。
また、地球は南極をN極、北極をS極とした大きな磁石なので、コンパスは常に北を向きますね。
電場も同じような概念です。
この電磁場を伝えるのは実は光(光子)でして、磁石を置くと、その周りの光子が電磁エネルギーを感じて、電磁場を発生させるのです。

同じように、ヒッグス粒子は慣性質量を感じるヒッグス場を発生させるとされているのですね。

現在の物理学では、ビッグバンによって宇宙が誕生したとされています。
そして、ビッグバンの直後、すべての素粒子は質量がゼロだったと仮定して、数々の理論が組み立てられています。
ところが、実際に電子など素粒子の質量を測ってみたら、ゼロではありませんでした。
これは困った!
なにせ、ビッグバン直後、素粒子の質量はゼロだったはずなのです。

そこで、新たな仮説が提唱されました。
ビッグバン直後(0.000000000・・001秒後)はすべての素粒子の質量はゼロだったが、ビッグバンで膨張した宇宙は急速に冷やされると同時に、質量を発生させる粒子に満たされてしまったのではないか!?というものです。
この粒子は素粒子の中のいくつかを動きにくくします。
この粒子をヒッグス粒子と名づけました。

すべての素粒子は元々質量は持っているのですが、ヒッグス粒子が存在しない場合は慣性質量はゼロで、すべて動かしやすい粒子だった。
ところが、宇宙がヒッグス粒子に満たされたことで、素粒子の中のいくつかに慣性質量が生じてしまった、と仮定したのです。
素粒子の中には光子のようにヒッグス粒子の影響を受けず、質量がゼロのものもあります。

このヒッグス理論を含む物理学の理論を標準理論とか標準模型と呼ぶようです。

ヒッグス粒子の存在を推測した際に、そのヒッグス粒子の発見の仕方、おおよその質量なども推測されていました。
それを実証しようと作られたのが、スイス・フランス国境にあるCERNの「大型ハドロン衝突型加速器」(LHC)です。

何をしているかというと、陽子にものすごく大きなエネルギーを与えて、光速に限りなく近づけ、その陽子二つを衝突させるという実験をしています。
光速に近い陽子同士が衝突すると、陽子が壊れて様々な粒子に分裂するのですが、その際、10兆回に1回程度の確率で、ヒッグス粒子が発生すると予測されていました。
その通りの実験をした結果、本当に未発見の粒子が見つかり、99,9998%?の確率でヒッグス粒子だろうと発表されたのです。

アインシュタインが生み出した「相対性理論」はGPSに応用され、「量子力学」はコンピュータの世界に応用され、現代社会をとても便利にしてくれました。
それでは、今回、ヒッグス粒子が見つかったとして、僕達の生活が何か変わるかというと全然分かりません。
もしかしたら、慣性質量をコントロールすることができて、人間が光速に近い速度で動ける、つまり瞬間移動のようなことができるかもしれないし、それは無理かもしれないし。
まぁ夢は広がりますね。

しかし、見つかってもどれほど社会の役に立つか分からないけど、宇宙の成り立ちを知りたいという純粋な欲求に5500億も使ってしまうのが、なんというかロマンだなぁと思うわけです。
ということで、ヒッグス粒子の説明はほぼ終わりですが、一点だけ。
僕は今回ヒッグス粒子について調べている上で、一つ気になっていることがあります。

それは、「重力質量」と「慣性質量」がたまたま同じ値となるという、「等価原理」についてです。
こんな「たまたま」があるのか!?と思います。
重力を伝えるのは重力場を構成する重力子という未知の素粒子とされています。
慣性質量を伝えるのはヒッグス場を構成する「ヒッグス粒子」とされています。
僕はこの二つは実は同じ粒子なのではないか!?と思っています。
いや、既に反証がたくさんあるのかもしれないし、そこまで調べていないのですが、なんとなくそんな気がするんですね。

ただ、重力子は質量ゼロで崩壊しない安定した素粒子と推測されているようなので、生まれて極小時間で崩壊してしまうヒッグス粒子とは違うのかもしれないのですが。

うーん、興味は尽きないですねぇ。


参考資料
・キッズサイエンティスト
http://kids.kek.jp/class/particle/class01-01.html

・Openブログ
http://openblog.meblog.biz/article/7125682.html

・ウィキペディア:粒子
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B2%92%E5%AD%90

・implements Runnable
http://blog.hizoo1999.com/2012/03/blog-post_17.html

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