今週、岩手の方からお電話で問い合わせをいただいたのです。
1月の初釜に着ていくコートが欲しいという話で。
手持ちのきものを活かす方法も考えたのですが、なかなか難しそうなので、白生地を染めて誂えましょうという話になりました。
なのですが、なにぶん岩手なのでご来店できない。
ということで、このきものの上に着たいというきものと、ご自分の寸法のきものを送っていただくことにしました。
娘さんが神奈川に住んでいるそうなので、実際の色や生地は娘さんと相談して決めますということになり、今日予定通り娘さんにご来店いただいたのです。
まずは白生地を選んでいただき、お持ちのきものの色を参考に、誂えるコートの色を決めて、裏地を決めて、と。
寸法は岩手から送っていただいたきものを参考に、手持ちのコートより○○cm長くしたいという要望をいただいて。
ひと通り決まってから、娘さんとお話していたのです。
だるまやを知った経緯を教えてくれたのですが、その話が面白くて。
お母さんが岩手から東京に出てくるときに東京駅で待ち合わせしたらしいのです。
その時に東京駅できものを着ている素敵な女性が近くにいて、その人に話しかけたらしいんですね。
少し話をして、そういうきものはどこで買うんですか?と聞いたところ、きもの姿の女性が「平塚にだるまやさんというお店があって、、」という話をしたそうなのです。
その話を覚えていたそうで、今回コートがほしいとなったときに、近所の呉服屋も見てみたんだけどあまり良いお店に出会えなかったそうで。
そんな時に、東京駅での一件を思い出してくれて、うちのホームページを見て、ここにお願いしようと思ってお電話いただいたそうなのです。
この話を聞いて、思わず「いや、それはすごい話ですね〜!」と言ってしまいました。
うちを知ったきっかけとして、きもの仲間の紹介で、、という話は少なくないですが、まさか岩手から上京した時にたまたま近くにいた素敵なきもの姿の女性がうちのお客様だったなんて聞いたことないですよ。しかもその女性に話しかけるという荒業も!
それを覚えていてくれて、うちに問い合わせいただけるとは!って感じです。
うーむ。
商売やってると面白い話がありますねぇ。
娘さんもきものに興味を持ち始めたそうで、今度は娘さんのきもののお手入れにご来店いただけそうでして、長いお付き合いになれそうで嬉しいです。
昔、会社勤め時代に、お客様からの電話(苦情や要望など)を受ける部署の研修を受けた時に、「一本の電話の向こうに、それぞれのストーリーがある」みたいなテーマのビデオを見たんです。
正直こういう研修ってあまり良い教訓にならないことが多いのですが(すいません。。)、このビデオはとても良く出来ていまして。
問い合わせの電話をかけるまでにお客様がどういう状況で、どんなことを考えて電話をしてくるのかをたくさんのケースを想定して作っていました。
例えば、家事をしている最中にふと思い出して電話をしてくる人もいれば、旦那さんから「あれ、どうなってるんだ!?」と言われて電話してくる人もいるわけですね。
一緒に見た先輩と、「いやぁ、あれはいい内容だったよねぇ」と話したのを覚えています。
なんだか今回の一件で、お客様からの問い合わせの電話1本1本にストーリーがあるわけで、なるべく親身に相談に乗りたいなぁと思った今日この頃でした。
こういう電話の対応一つ一つにお店の印象、大げさに言えばそのお店のすべてが詰まっているものだと思うので。
おしまい。
先日は有難うございました。
返信削除急な問い合わせから始まり…日数の無いなか…本人が居ないなか…ご親切に対応頂きまして、大変感謝しております。
東京駅で母がお話した素敵な着物の女性にも感謝ですね(笑)
今から、親子共々出来上がりを楽しみにしております!
また、お邪魔させて頂きますね~^^